「のれん等」の質問について
先日書いた「のれん等に隠されたもの バリューゴルフ注目ポイント①」
http://ieteli.hatenablog.com/entry/2017/06/12/222651
について、リオさんから質問を頂きました。
「もし、この会社が今期の内に新たに会社買収をしなかった場合、なぜ今期の利益増減分析の、のれんの欄はプラスとなり今期利益が拡大するのか」
それについてですが、一言で表すと「前期より今期の方がのれん償却等の額が小さくなるから」です。
これは、前々期決算から今期決算(予想)までの のれん(青色) と のれん償却等(赤色)
の動きを表にしたものです。流れは以下の通りです。
- H28/1月 前々期決算の時点では、まだジープを買収していないので、のれん・のれん償却額はありません。
- H28/9月 ジープを買収したので、のれんが1億4,800万円発生しました。これを会社は5年かけて、同じ額ずつ減らしていきます。
- H29/1月 前期決算です。 のれんの減らし方は毎年決算になったら決めた額だけ減らす→減らした額を「のれん償却額」として決算書に書く という方法を取るので、1億4,800万円÷5=2,960万円(のれん1年分) の5ヶ月分にあたる、1,233万円を①のれんから減らす ②のれん償却額としました(なのでグラフの青色が減り、赤色が現れています。)
- しかし、バリューゴルフは買収の際にかかったお金「アドバイザリー費用2,000万円」を上ののれん償却額1,233万円に含めました。(=3,233万円)
- そして、H30/1月(今期決算)はのれん1年分の2,960万円だけ払います。
そして、この状態で利益増減分析をします。
前期は
前々期「のれん償却等」0万円 - 前期「のれん償却等」3,232万円 =マイナス3,232万円
なので、利益増減分析には3,232万円と記載されていました。
ただ、今期は
前期「のれん償却額等」3,232万円 - 今期「のれん償却額」2,960万円 = 272万円のプラス(前期より当期の方が安く済みそう)
だから、今期の のれんの欄はプラスになるだろう
以上です。もし、また疑問等あればコメントしてください。質問してくれて嬉しかったです。