ミニ決算分析 3830 ギガプライズ(H30.1Q)
こんにちは イエティです。
今回は「ミニ決算分析」第3回 ギガプライズの2018年度1Q決算について見ていきます。
1.企業概要
四季報より作成。
主な事業内容として、「マンション向けISPサービス」を提供しています。
それは何なのか、利用者側から端的に言うと「新しいマンションに住みました→その日からインターネット使えます!メールも即日使えます!」的なサービスのことです。この会社はそれの提供を主軸としている会社です。
2.注目ポイント
- 子会社への先行投資、赤字により大幅減益
- 主軸のマンション向けISPサービスにも暗雲?
(先に言っておきますが厳しい・ネガティブなことを書いているので、見たくなければそっ閉じしてください。)
ギガプライズの2018年度1Qは
売上 1,222(前期比48.8%↑↑)
営業利益 74(前期比35.1%↓↓)
となりました。
増収・減益の大きな要因は「不動産事業を手掛けている子会社フォーメンバーズの売上増、赤字による減益」です。
フォーメンバーズは、①不動産仲介、②各種コンサルティング業務を行っている会社で
具体的には、
などを行っています。
主軸は「イオンハウジング」の運営です。
内容は、関東を中心にイオンモール内で個人向けに住まい探しのサポートをしています。
今後の事業展開としては
1.店舗展開
- 2017年度末までに15店舗(現在10店舗)
- 2021年度末までに250店舗 を展開
2.ITノウハウを活かしたサービス展開
例:VR不動産遠隔接客店舗「どこでもストア」→気になった住宅をVRを使って、物件内部の広さや日当たりなどの情報が見られる(個人的には面白いサービスだと思ってます)
が挙げられます。
ギガプライズは、この不動産事業を住宅向けISPサービスに次ぐ第二の柱にしたいと考えています。
しかし、今期1Q決算では
不動産売上 120
利益 -43(百万円)
の赤字となりました。(セグメント情報より)これにより、全体でも大幅な減益となりました。
ただ、私の所感では
ことから、この事自体は「特に問題はない」と思ってます。
問題は、次の注目ポイントの「主軸サービスに暗雲?」です。
ここからは私の予測が大きく含まれているのですが、私は「主軸のマンション向けISPサービスのほうが注意すべき」と思ってます。
これは各データの推移なのですが、前期と今期1Qを比べると、3点言えることがあります。
一つ目が、「ISP導入戸数が目標ペースで増加したこと」これは良いことですね。
二つ目が、「前期売上の大半がISP(HomeIT)サービスによるものであること」 決算短信のセグメント情報の、前期の売上と総売上(前期1Q総売上とHomeIT売上のこと)に差があまりなかったことから言えることです。 そのため、これを踏まえて前期2Q以降には私の予測によるHomeIT売上を入れています。(〈〉内で表記)
三つ目が、「前期決算と当期1Qを比べて、HomeIT売上があまり伸びていない(明らかに伸び率が鈍化している)ことです」(重要)
これは、上記データをもとに 青:HomeIT売上(予測) と赤:ランニング売上 の前決算(3ヶ月前)の伸び率を比較したものです。
これで思ったのが2点。
- 伸び率が鈍化していること
- 売上がランニング売上の伸び率を下回ったことです。
伸び率が鈍化したことは、素直に残念です。
ただ、それよりもランニング売上の伸びに売上がついていけていないことが不安です。つまり、顧客(利用者数)を増やしランニング売上(利用してくれる限り入るストック性の高い売上)が伸びても、総売上はあまり伸びない、こうなってしまうとビジネスモデルが最悪崩れる可能性があります。
私は、これがたまたまであれば問題なしだと思いますが、これが続くとまずいことになると思ってます。 とりあえずは、2Q決算を見て判断しないと行けません。
まとめ
不動産が入ったことで投資判断が非常に難しくなりました。ここを買うかどうかは
「ISPサービス、不動産の将来性への期待度・評価」によるでしょう。
私は、今回の決算を「ネガティブ」と判断。
来週以降の株価にもよりますが、この状態で買うのはなかなかリスクが高いと思います。
買うならばこの企業の将来性を信じられるかどうか、そこが大きなポイントだと思います。