バリューゴルフ H31年1月期 決算分析
こんばんは イエティです。
今回は、2019年3月14日に発表された「バリューゴルフ 平成31年1月期 決算」の内容を分析していきたいと思います。
なお、過去の分析は下のURLから見れます。(バリューゴルフってなに?な人はご覧ください。)
目次
1.今期決算成績
2.来期予想
3.今決算のポイント
4.まとめ
1.今期決算成績
今期の売上及び利益は以下の通りとなりました。(単位は百万円、比率は前期比)
売上 4,585(+47.4%)
営業利益 135(-18.0%)
経常利益 123(-20.3%)
純利益 102(ー26.8%)
増収減益の内容ですが、増収部分はトラベル事業のM&Aによるものなので、決算内容は非常に厳しいものとなりました。
2.来期予測
来期の連結業績予想は以下の通り。
売上 6,469(+41.1%)
営業利益 217(+60.3%)
経常利益 203(+65.2%)
純利益 159(+56.4%)
3.今決算のポイント
強気な来期予想を達成できるのか?
今期は、売上は大幅に伸びたものの、利益は追い付かず増収減益の内容となりました。一方で、来期予想はかなり強気な内容となっています(これが達成すれば株価倍もいけるレベル)。今回は、その来期予想を達成できるのかどうかを
・マイナス材料(懸念点)
・プラス材料
2つの側面から見ていきます。
マイナス材料(懸念点)
×今期2回の下方修正
今期は、今期はじめに出された決算予測に対し、2回の下方修正が発表されました。この要因は「トラベル事業におけるM&A」によるもので、特に利益面においては
決算予想発表時の営業利益 215➡150(1回目の下方修正)➡135(2回目)
と大きく下方修正を出しています。
このため、
「来期予想えらい強気やけど、どうせまた下方修正出すんやろ!信用できんわ!」
との声とともに、未達成となる可能性があります。
×ゴルフ用品販売事業における在庫過多
バリューゴルフが今期大きく業績を落とした背景として、「ゴルフ用品販売事業(ジーパーズ)」の不振が挙げられます。
その理由は概ねこんな感じです。
ジーパーズ「米国の良いゴルフ用品を日本で安く売りたいから買わせて!」
米国の業者「まだアナタとは全然仲良くないからダメ! うちの商品いっぱい買ってくれるなら考えてあげてもいいけど、、、」
ジーパーズ「分かったよ、、じゃあいっぱい買うよ!」
米国の業者「毎度あり!」
➡ジーパーズのキャパ以上に仕入れた結果、在庫過多に(やり取りはフィクション)
このため、ゴルフ用品を上手くさばける仕組みづくりが必要となっています。
以上が来期予想を達成するうえでの、主な懸念点です。それでは、次に達成に向けたプラス材料を紹介していきます。
★4Q決算で見えた上向きなB/S内容
上の表は貸借対照表における主要な数値を抽出したものです(単位:百万円)。
ポイントは、「4Qで売掛金の大幅増加、商品の減少からゴルフ用品の在庫過多が改善傾向にあること、旅行事業が恒常的に受注を得ていること」です。
このことから、トラベル事業が概ね順調なことに加え、懸念点でも挙げたゴルフ用品事業の不振に対する回復がみられます。
また、ゴルフ用品事業においては、物流の改善も行っているため、EC事業を中心にさらなる改善が期待できます。
★各事業とのシナジー加速
今後の施策として、バリューゴルフは「各事業とのシナジーによる業績拡大」を挙げています。具体的には、
・一人予約プランに「ボール付きプラン」(一人予約×ジーパーズ)
・一人予約に「海外プラン」(一人予約×トラベル)
・レッスン場近くに「ゴルフ用品販売店」(レッスンサービス×ジーパーズ)
・一人予約サービス客に医療関連品を販売(一人予約×メディカル)
などです。バリューゴルフの一人予約サービスは年20%ペースで会員が伸びているので、これらの施策を推し進めることで、業績の拡大が期待できます。
4.まとめ
以上が決算内容を簡単に分析したものです。色々な事業を展開していてなかなか分析が難しい企業ですが、今後は、売上・利益の動向に加えて、B/Sの内容も注視することで動向がつかめそうですね。とにかく、来期業績が達成できるといいですね!